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明日は味方

明日は味方

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カリフォルニアロールは突然に

2025-06-17
オレのにはサーモンとエビがなかった!
素敵なお二人でした!
 突然の大谷復帰登板。
風鈴と雁の郷デイサービスでは、それを「ちょっとした祭り」として小さなイベントに。初物のスイカを囲み、ご利用者と乾杯。
祝杯の理由がメジャーリーグのコアなニュースである、というやや時空を超えたテンション設定に、誰もついてこないかと思いきや、職員はかなり気を使って、無理して乗ってくれた。

鶴の一声発動。勢いに任せてカリフォルニアロールを巻いた。
アボカドとサーモンが、秋田の地に異国の風を吹かせたかと思えば、すぐ横でミズを皮ごと剥いて、鯖の味噌汁の準備。
カリフォルニアと秋田のソウルフードによる、謎のマリアージュ。これぞ、求めていたものだ!笑

 何の縁だろうか。大谷翔平の地元から、「社会福祉法人 奥州いさわ会」の事務長と課長が視察に来てくれた。新聞で風鈴の取り組みを見て、「気になっていた」らしい。
同じ東北とはいえ、山脈にさえぎられた物理的距離が、心理的な“遠さ”を生んでいる。でも、直線距離で見れば、たった40キロ。マラソンの距離だ。

いつものミズ剥き作業、畑、田んぼ、そしてカリフォルニアロール製造ラインを見ていただき、終盤には、ある職員に訊ねてみた。

「大谷が投げるからカリフォルニアロール作るって社長が言い出したとき、どう思った?」

職員の一人は「うーむ…」と目を伏せ、もう一人は「何も言えません!」と、やや空元気気味に返答。
これはもう、ポジティブな「何も言えない」ってことで脳内フォルダに保存しておく。都合よく、前向きに。

いいじゃないか、そういう思い出。
「大谷が復帰した日に、あいつに言われてカリフォルニアロール巻いて乾杯したなあ」なんて、後で語れるエピソードとしては上々だ。

活動記録動画を一緒に見て、1時間ほど話した。
地域が違っても、悩みはどこも似ている。答えは出なくても、「近くで同じようにもがいている人がいる」ことが分かってそれだけでも収穫だと思う。

たぶん、視察自体は何の参考にも、役にも立たなかったかもしれない。
それでも、お土産として手渡した、サランラップに巻かれた生ぬるいカリフォルニアロールだけは、きっと覚えていてもらえるんじゃあないだろうか。(味はともあれ)

大谷でつながるネットワーク。そんなのがあっても、いいじゃないか。

King is back!!

2025-06-16
王様が帰ってくる!投手大谷!!

明日は休みにしないといけないところだけれど、来客がある。これは1ヶ月前からの約束だから、もうキャンセルできない。
そのかわりに、ご利用者、職員とみんなで応援することにする。

2度も手術して、せっかく復活したのに、もしまた故障したらどうするのか。打者としてもしばらく打席に立てなくなる。
そんなリスクも全て承知の上で、それでも大谷はマウンドに戻ってくる。663日ぶりに!

忘れられないプレーがある。
ちょうど5年前、三塁線にバントしてきたボールになんと大谷は躊躇わずダイビングして捕球した。すぐさま立ち上がるとファーストに矢のような送球をした。
同じようなプレーを1995年、巨人のエース桑田真澄がしている。そのときの桑田の勝利への執念がすごかった。けれど、ダイイビングした際、右の肘を怪我してしまった。
「頼むから無理しないでくれ~!!」と思ったが、その大谷の姿を見て理屈なしで感動した。

明日、笑顔でマウンドに立つ大谷を見るのが待ちきれない。
短い時間かもしれないけれど、彼の目標がまた一つ実現する瞬間をこの目でみたい。

杉沢発、福島駅前行き

2025-06-13
杉沢のミズも太い!
炭焼き 「成瀬」の掲示板
炙りアイナメとコラボ!

 昨日、熊が出たことを知らなかった。知っていれば大人しくして、杉沢の山になど行かなかったのに。とりあえず無事に帰ってこられたからよかったものの、武器も持たずに出かけていたのだから、万が一熊と鉢合わせしていたら、病院送りになっていたかもしれない。

 しかも今日に限って着ていたTシャツには、よりによって「ボコボコにしてやんよ!」のロゴが大書きされていた。これで熊にやられていたら、医師と看護師の笑い話として始まり、「13日の金曜日だった」というオチまで添えられて、魁新報の県南欄に載ってしまい、あっという間に全県に広まっていたかもしれない。

 本当に熊にやられていたら…と思いながら、ふと頭の中で墓地を歩いてみる。目に入るいくつかの墓碑銘には「昭和十九年、ルソン島にて戦死」「マダガスカル島にて戦病死」などと刻まれている。いずれも、国という大きな物語に巻き込まれ、その果てで命を終えた人たちの記録だ。悲劇と崇高さが入り混じっている。そのすぐ横に、こんな墓がある。「令和七年、杉沢にて熊に、ミズと共に熊に喰わる」。──どうにも締まりが悪い。

 さて、そのちょっとした危険の末に手にしたミズ。雁の郷で、みんなで皮をむいた。利用者から「手伝うから、少しでいいから食べさせて」とリクエストがあり、午後3時のお茶の時間に「ミズタタキ」としてふるまわれた。 終わってみれば、「役に立てて良かった」「ホント楽しい」といった声が聞こえてきた。仕事をしながらだと会話が弾む。仕事に没頭すると会話が要らなくなる。役割があるということは、やっぱり大事だなと感じた。そして最後には、利用者同士の即席漫才のような掛け合いに、何度も笑わせてもらった。何事も、続けることが大切だ。6月のうちに、また何度か杉沢に足を運びたいと思っている。


 採ってきたミズは、福島駅前の炭焼き「成瀬」に出荷される。

腕の立つ料理長の手にかかれば、まるで舞台化粧をしたように色艶が引き立ち、皿の上では脇役を装いながらも、静かに主役を奪う。

シャキシャキとした夏の歯ごたえ。きっと、お客さんも「うまい!」とうなってくれるだろう。

 ──ただし、誰も知らない。
 それが命がけで採られたミズだということを!その日着ていたTシャツに「ボコボコにしてやんよ!」と書かれていたことも。

6月にしては寒い日

2025-06-12
 6月にしては寒い。長袖を持たないで出勤したことを後悔した。

今朝も懲りずにミズの群生地を探しに行く。一時間以上歩くとまだ残雪があるところにたどりついて驚いた。南国の人が雪に憧れるという、気持ち。これまで、実感がなかったが、なんだか少しだけ分かった気がした。夏に雪。
 
 当社が誇る園芸愛好家のAさんが、ご利用者の部屋の出口に花を活けてくれた。「外に出たくなるように」「家族が気持ちよく会いに来られるように」と。赤い椅子の花入れが、また素敵だった。本人と家族が少しでも前向きになってくれますように。

 いま、委員会の構成を巡って、「この人はどうだ」「あの人はどうだ」と、ああでもないこうでもないを繰り返している。絶妙な塩梅を探しながら、正解のないピースをはめ込もうとしているうちに、「明日には決めないといけない」というスケジュールだけが妙にくっきりしてくる。どのように決まっても、みんなには色々諦めて頑張っていただきたい。
 そもそも委員会というのは、職種や経験を超えて、施設の運営に“ちゃんと関与する”ための仕組みであるはずだ。「学びがあり」「気づきがあり」「チームでの工夫や挑戦があり」…という理想像は一応ある。でも現実には、「とりあえず義務感で集まる」みたいな空気が部屋にうっすら立ち込めている。この湿り気の発生源の一つには、もちろん、介護保険制度上の義務、という法令の存在がある。「やれと言われたからやる」という構図が、気づかぬうちに場の空気を鈍重にしてしまう。
 それでもやはり願うのは、「ツインズを自分たちでよくしていくんだ」という気概を、委員としての関わりの中で少しでも育ててほしい、ということだ。会社としては、どの委員会に属しても、そこに何かの“学び”があり、何かを“変える”きっかけがあると信じているし、そうあってほしいと思っている。
 とはいえ、それが大きな重荷になってほしいとは思っていない。日々の業務に追われながら、それでも関われることを、関われる範囲で、できるだけ前向きに関わってもらえたら、それでいい。義務感より関心を。押しつけより共感を。「関わらされている」から「関わっている」へ。その地味な切り替えが、組織全体の温度を静かに上げていく。委員会は、たかが委員会、されど委員会。いろいろ悩むけれど、決めるしかない。明日には。

バリ山行とエア登山部一行

2025-06-11

 去年の芥川賞受賞作『バリ山行』を読んだ。
 「バリ?」と一瞬なる。南国のビーチが浮かぶのは、きっと自分だけじゃあない。バリ島一切関係なし。

正確には「バリエーション登山」の略らしい。聞き慣れない。が、なんとなく理解はできる。整備された登山道ではない、藪をかき分け、地図にないルートを見つけて進む。誰かが作ったレールに乗るのではなく、自ら道を開拓するフロンティア精神が現代日本人に求められているものかもしれない。

 ちなみに自分の趣味は山菜採取登山だ。けれど、登る山は名もなき近所の低山。誰にも会わなくていいし、身近にあるのが魅力だ。近所の山に10年通い様々なルートを試してきた。それは、言ってしまえばバリエーション登山だ。だから、この小説に親近感を覚える。山岳小説が賞を受賞することは異例らしい。

 小説家は何がすごいかというと、プロットはもちろんだけれど、風景情景の描写、登場人物の心情描写を文字で読者に伝える技術だと思う。 少し上から目線になってしまうかもしれないが、この「バリ山行」は最初から終わりまで気持ちがいい文章だった。山の情景、分け入る細部の描写もよく書けているなぁと思った。ただ、読後、ページを何度かめくり直した。「え? これで終わり?」という戸惑い。下巻があるのではと疑い、何度も検索してしまったが、ない。これで終わりだった。。。


 早朝、ミズの群生地を求めて山に入る。去年の7月の豪雨で、これまで頼りにしていた群生地のいくつかは壊滅してしまった。だからこそ、今年は「新たな聖地」を探す必要がある。 
途中、地面に残された熊とおぼしき足跡に背筋が凍る。

そんなときの熊よけ必殺技の一つ。まるで複数人で登っているかのような“ひとり多役”小芝居術。
名付けて――「エア登山部!」

「おお、あっちにいいミズありそうだな」
「っていうか、熊いたらどうする?」
「まあまあ、声出してりゃ大丈夫っしょ」

みたいな感じだ。おそらく、効果はない。
熊は命がけで飛びかかってくるだろう。 こちらも、それに負けないだけの「命がけの山菜採り」であるべきなのに、この技はあまりにも緩すぎるのではないかー。自問自答しながら藪をかき分ける。
そして、見つけた――!見事なミズの群生地。
太くて、つややか。間違いなく一級品だ。
午前はこのミズの皮むきをしながら、ご利用者と交流した。いつか、「エア登山部一行」という本を出したい。

とにかく次回から、期待してください!極上ミズ!!
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