明日は味方
明日は味方
天使にラブソングをからのメッセージ2つ
(何者かになりたいなら、そして、目標の舞台に立ちたいなら、目の前のことにちゃんと向き合わなければならない!)
二つ目。
「If, when you wake up in the morning, you can think of nothing but writing… then you are a writer.」(リルケ)
(朝起きたとき、書くことしか考えられないなら、あなたはもうライターなんだよ!)
アイスと、大谷のデッドボール
ついついアイスを食べてしまう。
最近の一番は、Panapのスモールサイズ。普通の半分くらい。これだと、なぜか罪悪感も半分になる。根拠はないが、気分としてそうなる。
しかも、あの蓋を開けた時の表面。目と口のような模様が浮き出ていて、ハートの目だったり、いろんなパターンがある。ふたを開けたときに「あ、今日はこの顔か」と思うだけで、少し楽しくなる。どうでもいいことに思えるが、こういう“ちょっとしたこと”が、案外、疲れているときには効いてくる。でも、コンビニではあまり見かけなくて、たまに薬王堂に置いてある。けれど、最近チョコ味だけがない。売っていない。いつ行っても、ない。あれだけが。誰かが毎回、買っているのだろうか。静かに買い占める誰かが、近所にいるかもしれない。
選ぶ理由は2つ。まず内容量。PINOが6粒で60ml、PARMが90ml。数字として、そっちを選ぶ。もう一つはゴミの量。PINOは箱にピックにプラスチックの型まであって、たった6粒のためにずいぶん手厚い。それに比べると、PARMは袋1枚。終わったあとに残るものが少ない。ゴミ箱を決して困らせない。
ジャイアントコーンも好きだ。CMでジャイアント馬場が出ていたという記憶がどこかにある。赤いパッケージの、定番のやつ。あれは変わらない感じがして安心する。栗最中もよく食べていた。今はサイズが小さくなって、中心の栗の蜜も少ない。しかたがないのかもしれないが、ちょっとだけ、寂しい。最中の形を栗にしたあたりから、何かごまかされているような気がしないでもない。
おそらく、故意に。あんなことをKINGに向かってやるなんて。怒りが湧いてくる。ボールは、本来、勝負の道具だ。それを凶器にするなんて。しかも、投手復活したばかりの右肩付近と太ももに。言葉にならない。
けれど、大谷は、そんな中でも伝説を作った。
苦悶の表情も見せず、「大丈夫だから来なくていい」とチームメイトに手を振っていた。普通ならうずくまってもおかしくない場面で、だ。
バックネット裏では、パドレスファンらしい親子が観戦していた。160キロの球が大谷に当たった瞬間、子どもが跳ねて手を叩き、喜んでいた。それを見て、とても残念だった。
両軍入り乱れて「やってしまえ」という空気が、球場を包み始めていた。正直、あの場の空気にはゾッとした。
けれど、大谷の静かな振る舞いに引っ張られるように、球場全体が次第に落ち着いていった。さっきまではしゃいでいたパドレスファンの子どもも、大谷をじっと見つめていた。
その視線には、喜びはなくなっていた。ただの「敵を見ている」目でもなかった。ただ黙って見るしかなかった。圧倒的な何かを肌で感じたような、そしてなにかを受け取ったような、そんな目だった。
たぶん、大谷は、あの一瞬で、その親子に何かを残したのだと思う。言葉じゃなく、態度と佇まいで。
うまく言えないけれど、いい映画を見たあとのような、静かな感動があった。
この出来事は、きっと語り継がれる。
そしてもう誰も、大谷に、故意でボールを当てようなんて思わなくなるだろう。
そんなふうに、思わせてしまう力が、大谷にはある。
2500年止められないもの
個人的な意見として書くけれど、
いま、東成瀬村がメディアを賑わせている。
不祥事と地域おこし協力隊について、だ。
不祥事では、思いもよらぬ手段で税金が二千万円も使われていた。
カメラ、パソコン、USB……物品だけで、これほどの額になるのか。
想像の10倍だった。
「なぜ3年間、誰も気づかなかったのか」とよく言われる。
だが、それほどまでに、うまくやっていたのだろう。
部下を信頼していた、という言葉が繰り返される。
紀元前の中国・春秋時代にも横領の記録がある。
2500年たっても、人間のやることは、そう変わっていない。
比べてはいけないが、大谷翔平の通訳だった水原一平は、
17億円もの金を横領していた。
一流の税理士や会計士がついていながら、なぜ気づかなかったのか。
それでも、「うまくやっていた」としか言えないのかもしれない。
完全な再発防止策など、おそらくない。
何しろ、2500年、止められていないのだから。
それでもなお、東成瀬村の執行部は、
今できる防止策を、懸命に模索している。
地域おこし協力隊。
彼、彼女たちのおかげで、村が少しばかり活気づいているのは事実だ。
問題とされているのは、拠点を村外にも置いている隊員の存在である。
その影響力の強さゆえに、県内外への情報発信の「広告塔」としての役割が、
一定程度認められてきた。
しかし、昨日、ABSの記者から自分にメールがきた。「制度の趣旨と実態が乖離している。そこは正すべきです」と。
地域おこし協力隊の本来の役割は、明確だ。
地域に根ざし、地元の課題に住民とともに向き合うこと。
拠点が村外にあることで、情報発信の幅が広がることは否定しない。
だが、それが地域との乖離を生み、本来の目的が薄れてしまっては、元も子もない。
制度の趣旨と実態。そのバランスを見極めたうえで、
現行の制度にそぐわないのであれば、
しっかりと軌道修正を図るべきだろう。
そして願わくば、
「東成瀬村モデル」の制度を、新たに設計してほしい。
冷たい味噌汁と、熱いサーバー
冬の室温を14度に設定していると話すと、よく驚かれる。だが、こちらとしては別に驚かせるつもりはない。熱々の味噌汁がすぐ冷めるのは残念だけれど、コタツに入ってしまえば、まあ問題はない。油の少ない食器は水で洗うし、夏はエアコンを極力つけない。移動距離が長いぶん、車での冷房なんて、川にでも浸かってから出発すればなんとかなる。
こう書くと、いかにも「環境意識が高い人」みたいに映るかもしれないが、そんなつもりはまるでない。ただ、「もったいない」がしみついているだけだ。原油の値段も上がっているが、蛇口の水の値段も跳ね上がってきている。電気もガソリンも水も、使えば減る。当たり前のことが、目に見えないから忘れられている気がする。
一方で、世界はどんどん電力を食う方向に進んでいる。スマートフォンが1人1台じゃ足りず、パソコンやタブレットも複数持ち。仮想通貨の採掘も、クラウドサーバーの運用も、動画もAIも、全部が全部、裏ではものすごい数のファンが「ブオォォォ」と回っている。ChatGPTに「今日の天気は?」なんて聞いた瞬間に、地球のどこかのサーバールームで冷却水が循環しているのだ。
こっちは川で体を冷やしてガソリンを浮かせているというのに、地球規模で見ると、どうにも報われない。しかもその地球では、戦争が起きている。銃火器もミサイルも、環境への影響を気にしてなど作られてはいない。あの一発で、どれだけのエネルギー政策が帳消しになったのか、誰か計算してほしい。
政治家の仕事は本来、戦争を防ぐことのはずだが、それを煽るような人物が世界を動かしている。自分の正義を正義だと思っているあいだに、誰かの命と、いくつもの森と海と空気が、ひっそりと消えていく。
カリフォルニアロールは突然に
風鈴と雁の郷デイサービスでは、それを「ちょっとした祭り」として小さなイベントに。初物のスイカを囲み、ご利用者と乾杯。
アボカドとサーモンが、秋田の地に異国の風を吹かせたかと思えば、すぐ横でミズを皮ごと剥いて、鯖の味噌汁の準備。
カリフォルニアと秋田のソウルフードによる、謎のマリアージュ。これぞ、求めていたものだ!笑
同じ東北とはいえ、山脈にさえぎられた物理的距離が、心理的な“遠さ”を生んでいる。でも、直線距離で見れば、たった40キロ。マラソンの距離だ。
いつものミズ剥き作業、畑、田んぼ、そしてカリフォルニアロール製造ラインを見ていただき、終盤には、ある職員に訊ねてみた。
「大谷が投げるからカリフォルニアロール作るって社長が言い出したとき、どう思った?」
職員の一人は「うーむ…」と目を伏せ、もう一人は「何も言えません!」と、やや空元気気味に返答。
これはもう、ポジティブな「何も言えない」ってことで脳内フォルダに保存しておく。都合よく、前向きに。
いいじゃないか、そういう思い出。
「大谷が復帰した日に、あいつに言われてカリフォルニアロール巻いて乾杯したなあ」なんて、後で語れるエピソードとしては上々だ。
活動記録動画を一緒に見て、1時間ほど話した。
地域が違っても、悩みはどこも似ている。答えは出なくても、「近くで同じようにもがいている人がいる」ことが分かってそれだけでも収穫だと思う。
たぶん、視察自体は何の参考にも、役にも立たなかったかもしれない。
それでも、お土産として手渡した、サランラップに巻かれた生ぬるいカリフォルニアロールだけは、きっと覚えていてもらえるんじゃあないだろうか。(味はともあれ)
大谷でつながるネットワーク。そんなのがあっても、いいじゃないか。