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明日は味方

明日は味方

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南南東

2023-02-03
 今年の恵方巻きは南南東を向いて食べるのが吉、と言われていた。昨日までは楽しみにしていたが、朝からそんなことはどうでも良くなった。人間は感情の動物だから、仕様がない。ストレッチをしてから、事務所に向かった。病院受診が重なって、病院と現場から次々にかかってくる電話をとりながら慌てふためく事務長を見て癒やされた。人は自分より大変な人を見ると、安心するのかもしれない。安心しきって、助けるのが遅れてしまい、事務長は昼にはぐったり疲れきって眠ってしまった。
 
 昼は利用者と一緒に食べた。今度100均に行きたいというので、来週一緒に行く約束をした。約束があると言うことはお互い希望をもてるということだ。その日、その時間、その場所に集まる。それまでお互い達者でいろよ、と言う意味がある。

 その後は厨房のみんなとミーティングだった。献立を作り、具材の発注をし、実際に作る。さらに、利用者毎に軟食、きざみ、極きざみにするという。少ない人数で、これほど大変な作業をこなしているのかと感心しきりだった。特に責任者の心労はかなりのモノで、休みが取れない状態が続いている。なんとか改善しなければいけないので、明日から戦略を練り直すことにする。みんながそれぞれ発言してくれたので、有意義な会議だったのではないか。最後に2時半から日本食研の試食会を開催してもらった。30種類以上のおかずを前に参加者も楽しみながら意見を出し合った。参加者の中には利用者Kさんにも入ってもらった。舌が肥えているKさんは、鯖の照り焼きがお気に入りのようだった。

 生きている限りは今日も明日も大して変わらないだろう。でも1年後はもっともっと会社がよくなっていてほしい。そう願いながら、やっぱり南南東を向き無言で恵方巻きをいただくのだ。

2023-02-02
 デイサービスで豆まきを見た。見るまでは、どうせ子供だましのレクリエーションになるのではないか、と不安に駆られていたが、そうはならなかった。管理者が、なまはげ顔負けの鬼の演出で、これが利用者の内面にゆさぶりをかけていた。豆まき前の心理テストも功を奏し、利用者は自分の中にある邪気を追い払わなければならない状況を作り出していた。

 災害や悪いことの親玉は目には見えない。だから、不安になるし、責任のありかがわからなくて困る。困るから作ってしまおうというので、鬼や妖怪がつくられた。その鬼をやっつけることで、なんとなく、気持ちを晴らしてきたのじゃないか。サンタクロースのように、いないけど、いることにしておくのがいいのだ。

 できることなら、平凡な日常が続いてくれればいいのにと願う。しかし、そうはいかないぞ、と今年も鬼がいくつも待ち構えているだろう。鬼をも恐れずにとりあえず1年間完走したいものだ。

 ー 西沼の 鬼やらふ人のゆく道は 鬼を鬼とも知ることはなき ー

 来年、デイサービスの鬼役が回ってこないことを切に願っている。
2023-02-01
水深ゼロメートル
如月=きさらぎ。読めない。寒さで着物を更に重ねて着ることから、「着更着(きさらぎ)」とする説が有力とされる、と辞書には書いてある。

午前中は、久々デイの現場で職員の働きぶりを見ていた。見ながらご利用者と会話をして過ごした。現場にいると、人と人の波があちこちで岩にぶつかってしぶきを上げているようで、見ていて飽きない。介護の仕事には生活に必要な衣食住が詰め込まれている。環境に合った服、個人個人に合った季節の食事、動線を考えた建物や構造、設備。この至近距離にある衣食住についての基本的な学問が備わっていれば、立派に仕事がこなせるのではないだろうか。何か高尚な学問ではない、水深ゼロメートルの日常こそすべてだと教えてくれる。だからこの仕事が好きだ。

『福沢諭吉の学問のすゝめ』には次のような一節がある。
ー”学問するには、その志を高遠にせざるべからず。飯を炊き、風呂の火を焚(た)くも学問なり。”

飯を炊くのも、風呂を焚くのも学問だと言っている。仕事に上も下もない、だからどんな仕事も手を抜かずにやる値打ちがある。そう教えてくれている。

午後からは、買い出しに便乗して、ある職員と2時間半も話ができた。社長の戯言に長時間付き合ってくれてありがとう。
如月の読みは『キサラギ』だ、と覚える間もなく、2月は『あっ』という間に過ぎ去るだろう。

声を聞くだけで

2023-01-31
 その人の声を聞くだけで、なんだか安心することがある。夜勤業務に従事するCさんはそのうちのひとりだ。言葉がいちいち琴線にふれる。『ごちそうさま』と厨房に声をかける、それだけのことなのに。この人が言うとなんだか明るくなる。また、料理頑張って作ろう!となる。こういう人たちに共通するのは、思いと言葉が一致しているという点ではないか。本当に思っていることを、裏表なくそのまま口に出している。もっと付け加えると、言葉が潔(いさぎよ)い、澄んでいてスピードがちょうど良い、無理がない、邪念がない。逆に、思いと言葉が一致していない人の声を聞いたときは居心地の悪さや不快感を覚える。極端に言うと、心では謝っていないのに『すみません』と連発してしまうような人の声だ。

 いろんな人の話を聞きながら、少しずつ小石の波紋が大きく広がっていくのが今は楽しい。

事業所間交流

2023-01-30
 会議では、ヒラキの郷のSさんが、事業所の取り組みなどについて話をしてくれた。人前で話をするという事は、聞くことと同じくらい重要だし難しい。Sさんの発表は素晴らしいものだった。素敵な話やアイディアがたくさんあったから、他の事業所にもいい刺激になったのではないかと思う。事業所の垣根を越えて、人とアイディアの交流をもっともっと進めたい。





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